1.はじめに
同志会では、連続技をつくっていく時の中核となる技を「ジャンプを含む側転」だと考えています。それは、側転が、
(1)助走からのホップ技術
(2)逆さになって両腕で体を支える技術
〈3)体のそりとうでの突きはなしの技術
(4)腰から下の“あふり”技術
などのあらゆる転回系の技に内包されている技術要素を持っていること。リズムに変化を持たせた連続技を作り出すには、どうしてもスプリング系の大きな技が必要であり、安全で獲得の容易な側転はこれにうってつけであること。などの理由からです。
しかし、クラスの子どもたちは体操教室に進んで入ってきた子どもたちとは訳が違います。「できない」という理由から、「やりたくない」と思っている子だっているのです。でも、「できない」子どもたちも、「できるようにないたい」と思っています。根性や頑張りだけでは、いくら時間をかけて練習しても限界があります。「できない」のは、「できない」原因があるのです。今回は、私たちが長年の取り組みの中から編み出してきた言わば「同志会の財産」とも言えるえる秘伝を伝授します。
2.側転のつまずきとその指導
◇着地の時に足を曲げてしまう
〔原因〕☆両手をいつまでもはなさないでいる。
〔指導〕★片足が床に着いたら、手を離す。
〔原因〕☆倒立経過中に、頭を動かしてしまう
〔指導〕★手と手の間、あるいは最初のつき手を最後まで見ている。
★立ってから進行方向を向く。
★最初につく足の靴下を脱がせ、靴下をはいている方の足をゆっくりつくようにさせる。
★円盤まわりに戻し、足をのばすようにする。
◇両手にしっかりと体重がのらない
〔原因〕☆足が真後ろにけれていない。
〔指導〕★円盤周りに戻し、足を真後ろに高く上げる練習をする。
〔原因〕☆早く足をつけようとするために、足があがらない。
〔指導〕★先についた足の横lこあとの足を大きく出し、進行方向を向くようにする。
〔原因〕☆倒立状態の時に頭が起きていない。
〔指導〕★手と手の間、または最初についた方の手を見続ける。
〔原因〕☆体と腕の角度が十分に附いていない。
〔指導〕★動物歩きなどに戻って、手に体重をのせる練習をする。
★ゴムを使って、腕と体の角度を180度に広げていく。
◇体重は両手にのっているが、足が曲がってしまう。
〔原因〕☆足を蹴り上げたときに足がまがっている。
〔指導〕★ゴムを上にはって足をかけるようにする。ゴムの高さは徐々に上げていく。
★振り上げ足を後方に伸ばしたまま蹴り上げる練習をする。
◇横向きの側転が直らない
〔原因〕☆「側転は横の回転をする」というイメージが抜けない。
〔指導〕★足の向きを進行方向に向かせ、手の間隔を狭めていく。
※子どもたちのつまずきを子どもたちと分析しながら、「自分ができる喜び」「みんなができる喜び」そして「わかる喜び」を味わわせていきましょう。