マット運動Q&A −わしら同志会の体育実践− 

マット運動の素朴な疑問をQ&A風に述べたものです。(大阪支部ニュースでは「先生教えて」のコーナー)


Q1.「動物歩き」ってどんなのがあって、そのポイントとは?
A1.マット運動で「動物歩き」という場合は、転回系の技(背中が伸びた状態で回転する技:最初に学ぶ代表的な技は「側転」)に必要な「頭の位置より腰が高くなる:逆さ感覚」「腕が伸び、両手のひらに体重がかかる:腕支持感覚」「首を起こすことで背中を伸ばす:首を起こす感覚」を養うための「マットあそび素材」を言います。ですから、これら3つの運動感覚を養う目的の動きであれば「動物歩き」といってよいわけで、その数はいくらでもあるといっても良いでしょう。そのうちの代表的なものをいくつか紹介します。(名称は便宜的につけたもので、子どもと一緒に考えてもらえばよいでしょう。)
@アザラシさん 腰の位置が低いので「逆さ感覚」 は入っていませんが、掌を全部着いて体を前へ引きずるようにしていくので「腕支持感覚」を養うのには適していると思います。指先を外側からやや後方に向け、肘を伸ばしたまま肩を斜め前に出すようにします。
Aシャクトリムシ しやがんだ状態から両手を前に突き出すようにして体を伸ばします。この時点では腰は低い位置にありますが、そこから両足をボンボンと手のほうに引き付けてきながら腰を挙げていきます(首をしっかり起こしておく)。両足の引き付け回数を3回2回1回と減らしていくことによって、「あふり動作lの練習」にもなると思います。
Bクマ歩き いわゆる「高這い」で、膝を伸ばして腰をできるだけ高い位置で保ちながら歩きます。手足の動かし方や進む方向を変えていろいろなバリエーションが考えられます。先の3つの運動感覚がきっちり入っていて、易しい動きです。しかも、首を前後に振る動作を入れ、前屈させたときに前に体重をかけると、簡単に「前転」につなげることもできます。
C耳ありウサギ 蹲踞(そんきょ)の姿勢で両腕を伸ばしたところから一気に振り下ろし、同時に両足をお腹に引き付けながら腰を高く上げる運動です。肩角度を開いて体重が腕で感じられるようになれば、足をずらしてスタートし、上体も少し捻り片手ずつ着くようにしていけば側転の初歩(川とび)につながっていきます。

Q2,前転や後転が苦手な子にはどんな指導法がありますか?
A2.前転や後転ができないと次の技に行けない、といった指導がよく見られますが、目が廻る上にそれほど達成感もない技ですので、お話マットや連続技の中で必要になったときに指導するのがいいと思います
@前転
 先の「クマ歩き」からの指導が有効だと思います。少し慣れてきたら、大また歩きにつながり易いリズムのある前転ができます。
A後転
 前転もそうですが、どちらも「ロール系の技」で首を前屈させて背中を丸くして行うことがポイントです。特に後転では、スタートの姿勢で耳の後ろに着手のための手を用意させる指導がよく見られますが、そうするとどうしても背中が伸びぎみでうまくいきません。
(ア)の方法は、後転の際にじゃまになる首から上の部分をマットの段差を使ってクリアーしようとしたものです。
(イ)の方法は、背中を丸くしてスムーズに回転することを確保した上で回転の勢いをつけるやり方です。
(ア)

(イ)



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