@異質共同のグループ学習で
得意な子どもも苦手な子どももいろんな人が混ざったグループを作ります。いろんな技能をもった人が集まることによって、技能や動きの違いに目を向けさせやすく技術の学習が深まりやすいのです。得意な子どもは苦手な子どもを見て、自分と何が違うのかを見つけることで自分の今までできていたプレーがさらに上手になったり、そのプレーの意味が分かったりします。逆に苦手な子どもは得意な子どもを見て、プレーをイメージ化することができ、より早く上手になって行きます。
A苦手な子どもを大切にする授業を
ボール運動になると、苦手な子どもは全くボールに触れないということが多々あります。しかし、そのことは得意な子どもはとくに気がつきにくいものです。そして、「勝つ」ことで全く触れない子どもも「楽しい」という感想を持ちます。私たちはそんな「楽しさ」ではなくて、その運動そのものが持っている醍醐味を味わわすことによる楽しさを求めています。そのためには教師が上手にするための手立てをもっておくことはもちろん、グループのメンバーが苦手な子どもがどのように動いているのか(動いていないのか)を考え、どうしたら良いかを話し合う中で学習が深めていくことが必要になってきます。
B技術認識(わかる)でつながりあう
上手になる(できる)ためには、技術認識(わかる)が高まらなければなりません。技術認識が高まることで、グループの友だちに教えたり、アドバイスしたりすることができます。技術を媒介にして子どもたちがつながるということです。技術を通して友達を見ることによって、「○○くんはできない人」という考えから「○○くんは今はできないけど、もう少しでできる人」というように友だちの見方も変えることができます。すべての人がうまくなるんだ、成長していくんだという考え方はどの教科でも、人と関わっていく上でもとても大切なことです。
Cグループノートを作ろう
授業を進めていくためにグループノートが必要です。自分たちが今まで学習してきたことやっまずいてきたことをふり返る事ができるからです。そのことでさらに技術認識が高まっていきます。グループノートを中心にして頭をつき合わせて話し合いをすることで「自分がうまくなる」から「自分たちがうまくなる」というように集団としての意識が高まっていきます。また、その日に行われる授業のめあてやねらい、発間や上手になるためのコツなど技術認識を高めるための手立てとしても有効です。
D授業後の感想を書こう
授業のあとには感想を書きます。感想には「その授業のねらいについて」「友だちにアドバイスしたこと・されたこと」などをかきます。書くことによって、なんとなくわかっていたことが自覚化されてきます。書くことで頭の中を整理することができるのです。
Eグループの役割分担をしよう
グループの中で役割を決めておきます。リーダー、コーチ、準備係、体操係・‥などです。また、ゲーム記録などをとるときにもアナウンサーと記録係のようにみんなに仕事があたるようにすると良いです(遊ぶすきを与えないのも大切です)。
グループのために仕事をすることでグループにとって欠かせない存在になるようにしたいです。
F子どもたちが進める授業を目指そう
グループの役割分担が決まると、準備など子どもたちに委ねるようにします。子どもたちがコートをかいたり、ボールなどの用具を出したりします。そのための準備を教師がしておく必要があります。コートをかく場合でもあらかじめ運動場にしるしを付けておくなどの教師の準備です。授業の準備ができなければその分、ゲームの時間を減らしたり、どうしたら早く体操や準備ができるかをグループで話し合う時間をとったりします。
また自分たちのグループはどんな練習が必要かを考えて、自分たちで計画して練習をするような取り組みも子どもたちが進める授業につながります。